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高槻市・野見神社境内に設計した「CAFE N+」が奨励賞を受賞。
事業主であるクライアント様、施工を担ってくださった工務店様とともに、授賞式に出席しました。
本賞は事業主が顕彰の主体です。


建築家の思想だけでなく、それを実行しようとするクライアントの意思。そして、それを具体のかたちへと実現する施工者の技術。
景観は、その三者の想いによってかたちづくられるのだとあらためて感じました。

受賞8作品のうち、他の7作品はいずれも都市に強い存在感をもつ比較的大規模な建築でした。
その中で、わずか18㎡の小さな建築が選ばれたのは、規模の大小ではなく、景観との関係のあり方が評価されたのだと思います。
小さくとも、まちなみの質を高める建築でありたいと願っています。

隣地境界に向けてファサードを開く計画は、決して容易ではありませんでした。既成概念にとらわれず、「こうした方が景観は良くなります」と訴え、行政との協議を重ねながらかたちにしていきました。今回、景観向上への寄与として評価をいただけたことは、その判断が誤っていなかったことの一つの証だと受け止めています。

同じ奨励賞には安満遺跡公園パークセンターも選出されました。昨年の高槻城公園芸術文化劇場をはじめ、この2年で高槻市の作品が5件表彰されています。地域全体で景観への意識が着実に高まっていることを、心強く感じます。
2019年に始まった「高槻市景観賞」が継続されていないことは惜しまれますが、こうした評価が重ねられていること自体が、まちの成熟を示しているのだと思います。
本計画に関わってくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。
これからも、場所にふさわしい佇まいを探りながら、まちの質を押し上げる建築を積み重ねていきたいと思います。

写真:三木夕渚

大阪都市景観建築賞(愛称大阪まちなみ賞)
第44回大阪まちなみ賞作品集(PDF)
野見神社のCAFE「Cafe N+」

意匠設計:HoribeAssociates architect’s office
構造設計:高橋俊也構造建築研究所
施  工:小阪工務店


著作権問題、解決しました。

2026.01.27 / Horibe Associates

前回のblogであった著作権に関する件は、写真の削除や表現の修正など、先方にご対応いただき、解決いたしました。
今回のこともあり、他のプロジェクトがどのように紹介されているのか、あらためて確認しました。


建築家と写真家の名前がきちんと記されているもの。
一方で、設計者の記載がないまま、自社設計のように紹介されているもの。

後者については削除をお願いし、こちらもまた速やかにご対応いただきました。

自社設計施工という体制そのものを否定するつもりはありませんが、誰が設計したのかを曖昧にしたまま語ることには違和感があります。
建築は、形だけでなく、その背景にある思想と責任の所在まで含めて成り立つものだと思うからです。

事務所名に自身の名前を付けたのも、責任の所在を曖昧にしたくなかったからです。

私たちは、「設計の伴わない監理」「監理の伴わない設計」は原則として行いません。
設計と監理は切り離せるものではなく、設計者自身が最後まで関与してこそ品質思想が守られるものと考えています。

第三者監理は、施工者様にとっては手間のかかる存在かもしれません。
承認を経て進み、ときに立ち止まり、場合によってはやり直していただくこともあります。
ただ、そうならないように予防監理に重点を置き、施工図や施工要領書等の品質書類によって事前に整合をとり、できる限り机上で意思疎通を完了させたうえで現場へ進めます。
時間はかかりますが、それが建築の質を守る唯一の方法だと考えています。

事実と異なる印象を与える発信は、私たちの感覚とは相容れません。
建築は信用の上にしか成り立たない仕事だと思います。


設計作品の取り扱いについて

2026.01.24 / Horibe Associates

弊社が設計監理を行った住宅の建築写真が、施工会社様の新しい住宅ブランドの広告枠内に掲載されている事例を確認いたしました。

photo:笹倉洋平
当該住宅は、特定の施主様のために個別に設計した作品です。施工例として紹介されること自体を否定するものではありません。
しかし、当該住宅を別ブランドの商品体系の中で取り扱うことは、閲覧者に対し、そのブランドの企画住宅であるかのような誤認を生じさせる可能性があります。

仮に「イメージです」等の注釈を付したとしても、ブランドの文脈の中で表示される以上、受け手の印象を完全に払拭することは困難です。
これは、私たちが長年にわたり築いてきた建築家としての独自性および信用の毀損につながる問題であると考えています。

また、掲載画像の一部には背景の改変が施されているものも確認しております。建築作品および写真はいずれも著作物であり、その改変や表示方法は著作権および著作者人格権に関わる重要な問題です。さらに、写真家のクレジット表示が確認できない状態での掲載は、権利侵害に該当する可能性があります。

実際には当該ブランドの商品ではない住宅を、ブランド広告の枠内で用いることは、虚偽広告的な表示と受け取られかねない行為でもあります。

現在、関係各位に対し、掲載削除および是正措置を正式に求めています。

photo:笹倉洋平
なお、当該ブランドを立ち上げられた責任者の方は、これまで10年以上にわたり、10物件以上をご一緒してきた現場の担当者でもあり、現在も日常的にやり取りをさせていただいている大切なパートナーです。
私たちはこれまで、その一貫した誠実さと責任感ある姿勢を信頼し、指名という形で共に歩んできました。その信頼は今も変わっていません。困難な局面でも真正面から向き合い、最後までやり切る姿勢を持つ方です。

だからこそ、新たに立ち上げられたブランドが成功されることを心から願っています。

ただし、ブランドの成功は、他者のブランド価値を損なうことや、過去・現在・未来のクライアントに誤解を与えることの上に成り立つべきものではないと私たちは考えています。
信頼の積み重ねの上にこそ、本当のブランドは育つと信じています。

資材価格の高騰、人材不足、確認申請の長期化、市場規模の縮小など、住宅業界を取り巻く環境は決して容易ではありません。そのような時代だからこそ、透明性と誠実さを前提としたブランドづくりがより一層重要になると考えています。

今回の件は、人を否定するものではなく、方法の問題であると受け止めています。率直にお伝えし、是正を求めると同時に、正しいかたちでの成功を心から願っています。

photo:笹倉洋平
弊社は、設計作品の著作権、写真家の権利、そしてクライアントとの信頼関係を最も重要な基盤としています。今後もその原則を明確にし、適切な対応を行ってまいります。


先日、とあるWEBサイトに掲載されていた弊社の作品の取り下げをお願いすることになりました。
その理由は、施工会社様の住宅ブランドの一例であるかのような文脈で紹介されていたためです。

photo:笹倉洋平
その建築を共につくり上げてくださった施工会社様に対して、私たちは大きな敬意と深い感謝を抱いています。
現場での丁寧な仕事、判断力、粘り強さがなければ、あの空間は実現しませんでした。その事実はこれからも変わりません。

ただ、あらかじめ企画された住宅シリーズの一例のように受け取られる可能性があったり、設計者名が明示されないまま自社設計作品であるかのように受け取られる掲載は、慎重であるべきだと考えます。
それは私たちのクライアントに対してだけでなく、その施工会社様にこれから依頼される方々に対しても、正確ではない印象を与えかねないからです。

事実と異なる期待は、結果として双方の信頼を損なうことにもつながります。

photo:笹倉洋平
私たちの仕事は、用意された型を前提にするものではありません。
敷地条件や環境、そしてクライアント一人ひとりの価値観と向き合い、その都度かたちを探していくことに本質があります。
「ブランドとは、一貫した姿勢が生み出す信用である」
ある本で出会ったこの言葉の通り、露出の多さではなく、姿勢の一貫性。
それが信頼につながるのだと思います。

ブランドとは、これまで出会ったクライアント、そしてこれから出会うクライアントとの約束です。
その約束に誤解が生じないようにすることも、設計者の責任のひとつだと考えています。


シンガポール出張-3

2025.08.11 / Horibe Associates

シンガポール出張3日目 最終日
シンガポールで最も高い位置にかかる歩道橋、地上36メートルの「ヘンダーソン・ウェーブ・ブリッジ」へ。
▶︎Googleマップ
波のような有機的なフォルムの橋は、ただ渡るだけでなく、ところどころに設けられたベンチでひと息つける遊び心ある設計。
高台からの景色も見事で、歩くたびにワクワクさせられる空中の遊歩道でした。


ヘンダーソン・ウェイブズからみたリフレクションズ

その後は、シンガポールを代表するガーデンズ・バイ・ザ・ベイへ。
「クラウド・フォレスト」と「フラワー・ドーム」、そのスケールと演出力には圧倒されます。
▶︎Googleマップ


35mの滝

フラワー・ドーム

建築・ランドスケープ・テクノロジーが融合した都市型の温室空間は、未来のボタニカル・ミュージアムのよう。

最後のランチは、ローカルの味をもう一度。シンガポールのソウルフード「ラクサ」。
中でも名店と名高い「328カトンラクサ」へ。
▶︎Googleマップ

魚介とココナッツの深いコクが印象的なスープは、チキンライスと肩を並べる“旅の記憶に残る味”。


旅の締めくくりは、チャンギ空港の「Jewel(ジュエル)」へ。
2019年にオープンし、設計はあのマリーナベイ・サンズを手がけたモシェ・サフディ。

中央にそびえる巨大な室内滝「レイン・ボルテックス」は、屋根で集めた雨水を利用した、自然循環と建築が美しく調和する空間装置。
見た目のインパクトだけでなく、空調や採光にも寄与する、機能性と美しさを兼ね備えたチャンギ空港の象徴的な存在です。
霧がやさしく広がるその空間は、まさにシンガポールらしく、この3日間の余韻にひたるには、あまりにもぴったりな場所でした。

JEWEL(ジュエル)の中をスルーするスカイトレイン

階下のアクリルドーム?も圧巻

2024年、世界空港ランキング1位に輝いたチャンギ国際空港。
クライアントと過ごした、濃密な3日間のシンガポール出張は、ここで幕を閉じました。

【NEWS】
2025/5/1 toolbox共同開発 「天井スリットファン」が累計販売台数200台を超えました!←NEW!
2025/4/7 CAFE N+が商店建築「good design cafe vol.5」に掲載されました。


シンガポール出張-2

2025.08.07 / Horibe Associates

Horibe Associatesの堀部圭一です。
シンガポール出張2日目。(シンガポール出張記-1
翌朝はホテルでシンガポール料理の朝食をゆっくり堪能。
そのままクライアントと車に乗り込み、建築探訪へ出発しました。

乗車してすぐ、昨日の夜に奥様と話し合ったというアイデアについて話がはじまります。
「上の畑にしようとしていた土地も計画に取り入れて、畑を南に配置したらどうかと話してたんですが。プライバシー的にも、日当たり的にも良くなると思うんです。」(基本設計をほぼ白紙に戻す思い切ったアイディア…)

内心では驚きつつも、その提案が土地利用の本質をついていることは明らかで、理屈だけでなく直感的にも面白い。
「なかなか、いいアイデアかもしれません」と少し噛みながら返したのを覚えています。

さて最初に訪れたのは、2018年の米朝首脳会談の舞台となったカペラホテル。
1880年代に建てられたコロニアル様式の歴史的建築と、ノーマン・フォスターによる美しい曲線の客室棟が共存する空間。


続いて、リフレクションズ・アット・ケッペルベイへ。
設計はダニエル・リベスキンド。6棟の高層タワーと11棟の低層ヴィラからなる大規模コンドミニアム。しばらく敷地内も歩いて散策。

キンキンに冷えたココナッツウォーターが美味しい暑さ。

昼食は、緑に囲まれたデンプシー・ヒルのベトナム料理店「Red Sparrow」へ。
▶︎Googleマップ

好物のチャーゾー

フォーボー

その後は、ローカルスイーツ「チェンドル」を求めてFortune Centreの二階にある「Yat Ka Yan Dessert 一家人」へ。
▶︎Googleマップ
地元民の行列に並んで入店。甘すぎずコクがあって、行列の理由に納得の一品でした。


午後は「南洋工科大学(NTU)」へ。
伊東豊雄さん設計によるアジア最大級の木造建築「Gaia」


そして、トーマス・ヘザーウィックが手がけたラーニングハブ「The Hive」へ。
12のタワーがアトリウムを囲むように配され、曲線が重なり合う有機的な造形が印象的でした。


締めくくりは、LeVeL33での夕食。
▶︎Googleマップ
世界で最も高所にあるクラフトビール醸造所としてギネス記録にも認定されたレストランです。




眼下にはマリーナベイの夜景。料理もサービスも抜群で、忘れられない締めくくりとなりました。

シンガポール出張記-1
【NEWS】
2025/5/1 toolbox共同開発 「天井スリットファン」が累計販売台数200台を超えました!←NEW!
2025/4/7 CAFE N+が商店建築「good design cafe vol.5」に掲載されました。


シンガポール出張-1

2025.08.03 / Horibe Associates

——クライアントとの距離がぐっと縮まった3日間
Horibe Associatesの堀部圭一です。
今年の3月、シンガポール在住のクライアントと、日本で建設予定の住宅について直接打合せをするため、現地を訪れました。
これからかたちにしていく住まいには、クライアントが長年過ごされたシンガポールの空気感や思い出をどこかにインストールしたい、というご希望があり、そのイメージをすり合わせることが主な目的です。
これまではオンラインでの打合せが中心でしたが、やはり直接お会いして、表情を交えながら会話を重ねる時間は何にも代えがたいものだと感じました。
13年ぶり、3度目のシンガポール。
チャンギ空港に到着後、まず向かったのは「My Awesome Cafe」

▶︎ Googleマップ
中華街の近くにある、元病院だった建物をリノベーションしたレストラン。店内はぎゅうぎゅうの大賑わい。
オリエンタルで少しノスタルジックな雰囲気のなか、自然と緊張がほぐれ、クライアントとの距離も一気に縮まります。

翌朝は、クライアントとの待ち合わせ前に軽くランニングを。
マリーナベイ・サンズやマーライオンを横目に1時間ほどのランニングで、土地勘を掴みます。

野良ニワトリ

マーライオンとマリーナ・ベイ・サンズ

PARKROYAL COLLECTION Pickering

Oasia Hotel Downtown
「City in a Garden」という国家戦略を象徴するようなボタニカルな建築物

朝ランのあと朝食を摂りクライアントとともにシンガポール建築巡りへ
● ザ・フラトン・ホテル・シンガポール
1928年築の新古典主義建築。もとは中央郵便局だった建物が、今では歴史的価値あるヘリテージホテルとして活用されています。


● カベナ橋(Cavenagh Bridge)
1869年に架けられた、原型を留めているシンガポール最古の橋。

●UOBプラザ(UOB Plaza) 丹下健三

● 旧ヒル・ストリート警察署
18世紀末のフランス新古典主義に影響を受けた建物で、今はカラフルに彩られた外観が印象的。創造性や表現の自由を象徴する存在として、SNSでも人気のスポットになっています。

● ラッフルズ・ホテル
シンガポール建築のアイコンとも言える、優美なコロニアル建築。細部まで美しく保たれており、やはり特別な存在感があります。



お昼は、ラッフルズ近くの老舗ローカルレストラン「Chin Chin Eating House(津津餐室)」へ。
▶︎Googleマップ
シンガポールで一番美味いと口コミの多い名店。


看板メニューのチキンライス。ジューシーで絶品。

昼食後は、コロニアル様式をはじめとしたシンガポールの多彩な建築を巡りました。
クライアントの想いに耳を傾けながら、住まいのイメージが少しずつ広がっていく、有意義な時間を過ごしました。
●The Interlace:ブロックを積み重ねたような構成が特徴的な集合住宅。設計:OMA / Ole Scheeren(オーレ・シェーレン)

●HPL Canopy Link(Kay Ngee Tan Architects 設計):シンガポール植物園の新エリアを結ぶ歩行者用キャノピー橋


落ち着いた雰囲気の洗練されたディテール

夜は、ペーパーチキンで有名な「Hillman Restaurant」へ。
▶︎Googleマップ
タレに漬け込んだ鶏肉を紙で包んで焼き上げる料理で、肉の旨味を閉じ込めた逸品。シンガポールを訪れたら、ぜひ味わっていただきたい名物料理のひとつです。

食後は、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイのスーパーツリーグローブ(Supertree Grove)へ。

車を止めに駐車場へ向かったクライアントとは現地で待ち合わせをしていたのですが、なかなか来られず事件に巻き込まれたのかと少し心配に…。
ようやく合流できたとき「芝生に腰掛けてあまりに気持ちよく、寝落ちしてしまっていた」とのこと(笑)
朝からずっと運転と気遣いをさせてしまい、本当に申し訳なく感じた瞬間でした。
ちなみにこの巨大な人工樹木は併設する「フラワードーム Flower Dome」や「クラウドフォレスト Cloud Forest」の排気塔としての役割を持ち、雨水を集めて植物に再利用したり、太陽光発電で電力をまかなうなど、環境に配慮した仕組みが詰まった「機能性」にも優れた建築となっています。
〈続く〉

シンガポール出張記-2
【NEWS】
2025/5/1 toolbox共同開発 「天井スリットファン」が累計販売台数200台を超えました!←NEW!
2025/4/7 CAFE N+が商店建築「good design cafe vol.5」に掲載されました。


「グランドプリンスホテル新高輪」をチェックアウトして東京建築祭
道中ホテル近くに三田のサグラダファミリアと呼ばれている「蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)」があるはずなのでタクシーで現地へ

建築家の岡啓輔さんが、設計も施工も自ら行う「セルフビルド」で20年以上かけて作り上げた建築です。
2009年再開発話が持ち上がり立ち退きを求められたそうですが、交渉の末建築続行、再開発の一部として蟻鱒鳶ルを10m後方へ曳家(ひきや:建物を解体せずに移動させる工事)することに落ち着き現在はその工事の最中とのこと。

次の目的地は、建具金物でいつもお世話になっている堀商店が入居する「堀ビル(goodoffice新橋)」へ。
1932年に建てられたこの建物も、今年で築93年。
今はシェアオフィスとして再活用され、古い建物が新しい働き方に応える場所として息を吹き返している様子がとても印象的でした。

さらに足を運んだのは以下の建築群

・パレスサイド・ビルディング
日建設計・林昌二氏による設計。皇居のお堀端に建つこの建築は、モダニズム建築の代表作として知られています。

・岡田ビル
築50年のオフィスビルを、再生建築研究所が「減築」によって再構成。床面積を減らすことで適法化を行いつつ、採光や通風をもたらし豊かな空間を生み出している再生事例です。

・安井建築設計事務所 東京事務所
築約60年の建物を丁寧に手を入れ、新たな設計事務所として使い続けている建物。時間の積層を大切にしながら、いまの使い方に合わせて更新されています。

なかでも、特に心に残ったのはパレスサイド・ビルディングでした。

エントランスに足を踏み入れた瞬間、かつて勤めていた会社を久しぶりに訪ねたかのような懐かしい感覚に包まれました。

気になって調べてみると、この場所は、山崎豊子原作・唐沢寿明主演のドラマ『不毛地帯』のロケ地。
劇中では「近畿商事 東京支社」として登場していた建物でした。
DVDを購入して何度も見返したドラマで、とくに第16話「生意気な口を叩くなっ!」から始まる唐沢寿明さんの演技は、セリフを覚えてしまうほど印象に残っています。


(パレスサイド・ビルディングのエントランス)

その“既視感”の理由がわかり、空間の記憶が持つ力をあらためて感じました。

丹念につくられた建築は、時代や用途を超えてなお、人の記憶や文化の中で生き続ける。
それを実感できたのが、今回の東京建築祭でした。

東京建築祭2025 前篇
Written by Keiichi Horibe

【NEWS】
2025/5/1 toolbox共同開発 「天井スリットファン」が累計販売台数200台を超えました!←NEW!
2025/4/7 CAFE N+が商店建築「good design cafe vol.5」に掲載されました。
2023/8/12 初の著書「建築設計のデジタル道具箱」が学芸出版社より出版されました。


東京建築祭2025の期間に合わせて東京出張に行ってきました。
早朝の新幹線で東京へ向かい、まずは江戸川区で進めていたマンションの大規模修繕工事の現場へ。
最終チェックを行い、しっかりと仕事を締めくくってから建築巡りの一日がスタート。
その足で向かったのは六本木の国立新美術館。開催されていたのは「リビング・モダニティ」展。

ミース・ファン・デル・ローエの未完のプロジェクト《ロー・ハウス》が原寸大で再現されているほか、ルイス・カーンの《フィッシャー邸》、エーロ・サーリネンの《ミラー邸》など、20世紀を代表する名作住宅建築が、図面・写真・精巧な模型とともに紹介されており、圧巻の内容。
※この展覧会は2025年6月30日で終了していますが、建築好きなら間違いなく「必見」と言える展覧会でした。

その後は、宿泊先であるグランドプリンスホテル新高輪へ。
こちらは1982年竣工、村野藤吾氏の晩年の傑作として知られています(当時91歳)。
有名な大宴会場「飛天」は見学できなかったものの、エレベーターの扉や天井に施されたアコヤ貝の装飾はしっかりと堪能。
 

翌朝はホテルを楽しむべく、少し遅めの朝食を。庭園に面した大開口が印象的な「ラウンジもみじ」で、ゆったりとした時間を過ごしました。


そんな回想を綴っていたとき、目に飛び込んできたのはグランドプリンスホテル新高輪が2026年で営業終了・解体」というニュース。

再開発の一環とはいえ、44年という年月は、建築としてはやや短い印象を受けます。
商業建築である以上、経済性や時代の要請に応じて役割を終えるのは仕方のないことかもしれませんが、たとえどれだけ丁寧につくられた名建築であっても、惜しまれる間もなく姿を消していく現実には考えさせられます。
東京建築祭2025 後編
Written by Keiichi Horibe

【NEWS】
2025/5/1 toolbox共同開発 「天井スリットファン」が累計販売台数200台を超えました!←NEW!
2025/4/7 CAFE N+が商店建築「good design cafe vol.5」に掲載されました。
2023/8/12 初の著書「建築設計のデジタル道具箱」が学芸出版社より出版されました。



Horibeassociates 堀部圭一です。先日 千葉県浦安市にて「建築設計のDX」についての講演会に登壇させていただきました。
この4月から施行された省エネ義務化と4号特例縮小で設計や審査の現場では大幅に業務が増加しています。
講演では「省エネ申請について仕様基準と性能基準での申請方法の違い」「一次エネルギー消費量計算で注意すべきたった一つのポイント」と題して、また後半は増加する業務と減少する労働力の反比例にDXでどのように対処すべきかをテーマに、実践しているデジタルツールとその活用法についてお話しさせていただきました。
嬉しいことに多くの参加者の皆様がずっとメモをとり、90分間熱心に耳を傾けてくださいました。

省エネ申請もデジタルツールも全て自前でこれまで15年以上アップデートしてきた経験をもとにしたものですので、何か一つでも実践していただくと間違いなく業務効率化と質の向上に繋がると思います。

より詳しい内容は拙著「建築設計のデジタル道具箱」をご参照ください。

ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。

ーーーーーーーーーーーーーーー
講演のご依頼はメールにて表題を「講演依頼」としinfo@horibeassociates.comまでお問い合わせください。


【NEWS】
2025/4/7 CAFE N+が商店建築「good design cafe vol.5」に掲載されました。←NEW!
2023/8/12 初の著書「建築設計のデジタル道具箱」が学芸出版社より出版されました。


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Philosophy

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建築はそれ自身の成り立ちとは無関係に
完成と同時にその周囲の人々や街並み、環境にまで大きく影響を与える存在です。
そして大切に使われているか否かその場所に馴染んでいるか否かに関わらず
何十年もその土地に存在し続けます。

デザインだけでなく、機能だけでもない、建築に関わる様々な物事にこだわり続け
何十年も人々に愛され、人々を守り、色褪せない建築
それが私たちの求める建築のあり方です。

Once created, architecture has significant influence on townscape,
surrounding people as well as the environment, regardless of its background.
It will remain on that ground for decades
whether it blends into the location or not, or if it’s treasured.

No just design or capabilities, but focus on various architectural essence.
Timeless longevity endeared for years, and guarding people’s lives…
this is the concept we pursue.

堀部圭一

堀部圭一

Keiichi Horibe

一級建築士
一級建築施工管理技士

堀部直子

堀部直子

Naoko Horibe

一級建築士
建築士会正会員
近畿大学非常勤講師
大和大学非常勤講師

Contact

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Horibe Associates co., ltd.

大 阪 569-1144 大阪府高槻市大畑町16-12 HAビル 2階
TEL. 072 691 8075
東 京 134-0015 東京都江戸川区西瑞江4-16-6 203
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