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大阪府茨木市 古民家改修 / 保健所検査

古民家を飲食店にする。その裏側にある、二つの手続きのこと。

horibe associates

古民家を飲食店として使うには、用途変更飲食業許可という、性格の異なる二つの手続きを並走させる必要があります。

用途変更とは、既存建築物の用途を変更する際に必要な手続きのことで、延べ床面積200㎡を超える場合は確認申請が義務付けられます。

飲食業許可は保健所が管轄し、厨房の設備・仕様・動線が食品衛生法の基準を満たしているかどうかが審査され、前者は建築基準法、後者は食品衛生法という、管轄の異なる二つの法律が同時に動きます。

設計者はこの両者を俯瞰しながら、工期・発注・検査のタイミングを調整する役割を担います。

前進と後退を繰り返しながら、ようやく形になってきたレストランの改修工事。
いよいよ飲食業許可の取得に向けての保健所検査となりました。

古民家レストラン改修工事・茨木市 保健所検査前の厨房
飲食店開業までの許認可:実務で詰まりやすいポイント

① 用途変更の要否を確認する
延べ床面積200㎡以下であれば確認申請は不要ですが、用途地域によっては飲食店の開業そのものが制限される場合があります。
まず用途地域と既存の建築確認済証の内容を確認することが出発点に。

② 防火・避難計画を見直す
飲食店は住宅や事務所とは異なる防火基準が適用されます。
既存建物の構造や仕上げ材が現行基準に適合しているかを確認し、必要に応じて改修計画に織り込みます。古民家の場合、既存不適格の問題が出てくることも少なくありません。

③ 保健所と事前協議を行う
飲食業許可の審査は、厨房の手洗い設置位置・シンクの数・換気設備の能力・床の仕上げ材など、細部にわたります。設計段階で保健所と事前協議を行い、図面に要件を反映させておくことが再工事を防ぐ上で重要になります。

④ 着工・改修工事
古民家の改修では、解体してはじめて見えてくる既存状況への対応が必要になる場面が多くあります。事前に把握できていない状況への判断を現場でスピーディに行えるかどうかが、工期を守れるかどうかに直結します。

⑤ 保健所検査・許可証取得
申請書提出後、検査員が現地で設備を確認します。指摘があれば再検査となり、許可証の発行が遅れます。
開業日が決まっているプロジェクトでは、この「再検査リスク」が最大のスケジュールリスクになります。

今回は、許可取得後すぐに控えているイベントがあったため、「再検査」は絶対に避けたい状況。
残された時間も限られており、一発合格が必須というプレッシャーの中での調整でした。

申請書の提出から検査当日まで、実はさまざまなことがあり、、
設計段階から組み込んでいた厨房の手洗いが、数ヶ月前からまさかのSOLD OUT。
仮のものを設置しようかと半ば諦めかけた頃、奇跡的に1週間前に再販されたり、
いざ検査という時になって、ガスの開栓を失念していることに気づいたり……。

次々と訪れる小さな峠を一つひとつ乗り越えながらも、「何があっても諦めない」という現場全体の熱意が通じたのか、検査員の方からは「最短で許可証を発行できるよう努力します」との言葉をいただき、そして——イベント前日、無事に許可証を取得することができました。

この短期間でここまでたどり着けたのは、ここ数年にわたって複数のプロジェクトを共にしてきた工務店さんとのチームワークあってのこと。
お盆休みを挟みながらも、約3ヶ月というタイトなスケジュールをやり切ってくださいました。

設計の仕事は、図面を描くことだけではありません。
法規を読み、行政と交渉し、施工者と段取りを組み、予期せぬ事態に対処する。
その積み重ねの先に、ようやく建築は使われはじめます。

関係者の皆さま、本当にありがとうございました。

【関連記事 ― 古民家Restaurant プロジェクト記録】
工事着工 ― 着工を迎えるまで(2025.09)
ショールーム巡り ― 素材選定(2025.08)
カテゴリー:古民家Restaurant(全記事一覧)

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[EN] Project Note — Machiya Restaurant Renovation, Ibaraki City, Osaka
Converting a traditional machiya townhouse into a licensed restaurant in Japan requires two parallel procedures governed by two separate laws: a change-of-use filing under the Building Standards Act (a full permit application is required for buildings exceeding 200m²), and food service licensing under the Food Sanitation Act, issued by the local public health center. A structural architect navigates both simultaneously — aligning the construction schedule with permit timelines and inspection windows. Health inspections cover kitchen hand-washing unit placement, sink count, ventilation capacity, and floor finish specifications; any deficiency triggers re-inspection and delays opening. On this project, a three-month construction schedule compressed around the Obon holiday was anchored to an immovable client event. A hand-washing unit specified at the design stage went out of stock mid-construction and was restocked one week before the inspection. Gas activation was confirmed on the morning of the inspection itself. The health inspector offered to expedite the license; it arrived the day before the event. Design and supervision: Horibe Associates — Keiichi Horibe / Naoko Horibe, Osaka.

堀部圭一(一級建築士・一級建築施工管理技士 / Horibe Associates 共同代表 / 著書:建築設計のデジタル道具箱
horibe associates



@horibeassociates


【NEWS】
2026/2/24 一棟貸しヴィラ「private villa ten-KUMANO-」がASIA DESIGN PRIZE 2026にてGRAND PRIZEを受賞しました!
2026/1/10 toolbox共同開発 「天井スリットファン」が累計販売台数300台を超えました!←NEW!
2023/8/12 初の著書「建築設計のデジタル道具箱」が学芸出版社より出版されました。


高槻市で進めている「水盤のあるコートハウス」は、建築コストの高騰を踏まえ、いくつかの工務店さんに概算見積もりをお願いし、大まかな調整をしたうえで、先に確認申請を提出しました。
通常は実施設計を終えてからの申請ですが、現在は審査に非常に時間がかかるため、先行して進めています。

その背景には、今年4月からの「4号特例の縮小」と「省エネ義務化」により、申請件数が急増していることがあります。
最近では、8月中旬に提出した住宅が2か月の順番待ちの末、ようやく10月に審査が開始されました。
建築確認の停滞が、住宅着工数や経済全体にまで影響しているともいわれています。
急減する住宅着工とGDPへの影響」(第一生命経済研究所)

度重なる法改正により、設計の現場では求められる作業が大幅に増えています。
その一方で、Horibe AssociatesではBIMによる情報の一元化や、AI・VRの活用によって効率化と精度の向上を図っています。
特にVRによる情報共有は、クライアントだけでなく、構造や設備の設計者とも感覚的にすり合わせができるようになり、打合せの質も大きく向上。
いまでは無くてはならないツールとなりました。

【NEWS】
2025/5/1 toolbox共同開発 「天井スリットファン」が累計販売台数200台を超えました!←NEW!
2025/4/7 CAFE N+が商店建築「good design cafe vol.5」に掲載されました。
2023/8/12 初の著書「建築設計のデジタル道具箱」が学芸出版社より出版されました。


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Philosophy

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建築はそれ自身の成り立ちとは無関係に
完成と同時にその周囲の人々や街並み、環境にまで大きく影響を与える存在です。
そして大切に使われているか否かその場所に馴染んでいるか否かに関わらず
何十年もその土地に存在し続けます。

デザインだけでなく、機能だけでもない、建築に関わる様々な物事にこだわり続け
何十年も人々に愛され、人々を守り、色褪せない建築
それが私たちの求める建築のあり方です。

Once created, architecture has significant influence on townscape,
surrounding people as well as the environment, regardless of its background.
It will remain on that ground for decades
whether it blends into the location or not, or if it’s treasured.

No just design or capabilities, but focus on various architectural essence.
Timeless longevity endeared for years, and guarding people’s lives…
this is the concept we pursue.

堀部圭一

堀部圭一

Keiichi Horibe

一級建築士
一級建築施工管理技士

堀部直子

堀部直子

Naoko Horibe

一級建築士
建築士会正会員
近畿大学非常勤講師
大和大学非常勤講師

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大 阪 569-1144 大阪府高槻市大畑町16-12 HAビル 2階
TEL. 072 691 8075
東 京 134-0015 東京都江戸川区西瑞江4-16-6 203
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