大阪南部での住宅の計画です。
周辺には田畑が広がり、敷地正面には広大な雑木林が位置する緑豊かな敷地。
その雑木林は、交通量の多い幹線道路との間に位置し、借景としてだけではなく、騒音や周囲からの視線の問題を緩和する役割も担います。
平面計画はその広大な雑木林に向けて開いたコの字型プラン。
春には水を張った水田に木々の緑が映り込み、夏には青い稲をなびかせる涼しげな風がリビングを流れ、秋には黄金色の田園風景をLDKの大きな開口部から一面に眺めることができます。
断面計画ではLDKから借景の方向へ向けて各部屋の床高さを45cmずつ上げ、田畑で作業している人達からはLDKでくつろぐ様子を伺えないようにしています。
プライバシーを守りながら借景を内部に取り込み、LDK以外の諸室も中庭に面するように配置することで、家族間のコミュニケーションも取りやすくなっています。
コの字型のコートハウスと田畑に向けた床レベルの操作により、借景の取込みとプライバシー確保の両立を試みた田園都市型住居の計画。
四季折々の豊かな風景が日々の暮らしの背景となり、日常に彩りを与えてくれます。
写真:笹の倉舎/笹倉洋平
【掲載誌】
「&home(アンド・ホーム)58号」
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